英国オーターブ・オーディオ社では従来の最高品質のエクスクルーシブ・シリーズの「オートグラフ」「GRF」キャビネットを細部を簡略化することにより、さらにお求めやすい価格でヘリテージ・シリーズを提供いたします。

「エクスクルーシブ・シリーズ」

  • オートグラフ(復刻版)  ¥3,800,000/ペア
  • GRF(復刻版)      ¥2,800,000/ペア

いずれのモデルともキャビネットのみです。使用可能ユニットはシルバー、レッド、ゴールド、HPD等の、タンノイの15インチ・ユニットです。 

組み込むユニットとしては15インチ・モニター・ゴールドを推奨します。

 

 

親愛なる日本のオーディオ・ファンの皆様へ

 

このたび、マイケル・ハーベイ君が率いるオクターブ・オーディオ・ウッドワーキング社製「オートグラフ(復刻版)」と「GRF(復刻版)」キャビネットを日本のオーディオファンの皆様にご紹介できることを大変うれしくおもいます。このキャビネットは日本でも大変良く知られている「オートグラフ」と「GRF」をオーターブ・オーディオが復刻するに当たり、私がその改良、監修、アドバイスに当たったもので、発売当時には克服出来なかった様々な問題点を現代のテクノロジーで解決、より完成度が高まったものと考えております。このキャビネットを通して、日本のオーディオ・ファンの皆様が更に音楽を楽しむ喜びを高められることを希望してやみません。

  テレンス・リビングストン (故人)

 Terence Livingstone氏の経歴 

テレンス・リビングストン氏とオクタ−ブ・オ−ディオ

タンノイ社のテレンス・リビングストン(Terens Livingstone)氏の名前を記憶されている方も数多くいらっしゃるとおもいます。1939年にタンノイ社に入社以来、タンノイ社の創始者であるガイ・R・ファウンテン(Guy R. Fountain)氏のもとでタンノイ社の発展に寄与、タンノイ社の名声を世界的なものにするのに大きな功績がありました。いまではタンノイ社の創成期のあらゆることを知る数少ない人の一人となり、文字どうりタンノイ社の生き字引ともいえる人です。この度、英国オクターブ・オーディオ社から発売となります、タンノイ「オートグラフ(復刻版)」と「GRF(復刻版)」はそのリビングストン氏が製作指揮・監修に当たり、往年のオリジナル・キャビネットを再現するにとどまらず、当時では実現できなかった様々な問題点を現代のテクノロジ−を駆使することにより完成度を更に高め、ここに完成、日本の熱烈なタンノイ・ファンの皆様にお届けできることになりました。

オクタ−ブ・オ−ディオ・ウッドワ−キング社について

オクタ−ブ・オ−ディオは1997年にマイク・ハ−ベイによりタンノイのクラシック・スピ−カ−の復刻を実現する目的でマイケル・ハーベイによりブリストルで設立されました。伝統的なキャビネット製作技術と高品質の最新素材の絶妙な組み合わせによりオクタ−ブのキャビネットはその品質の高さと音質により高い評価を得ています。ホーン・スピーカーの概念は過去に何年にもわたって研究され解明されてきました。しかしながらその後の素材などのテクノロジーは劇的に進歩しつつあります。オクターブオーディオではオートグラフ(復刻版)とGRF(復刻版)キャビネットの再現に当たり現代の最高の素材と伝統的なハンド・クラフトの良さを組み合わせることにより外観は伝統を保ちつつ、オリジナル・モデルで採用していたバーチ材(北欧の樺の一種)の合板を使用し、接合部にはエポキシを充填、各部の接着には最新の接着技術を駆使しています。全てのキャビネットはオクタ−ブの工房で一台一台手作りされています。そこでは多くの独創的工法、治具を用い複雑な構造のキャビネットの組み立てが行われています。時間をかけた手作りの一台一台のエンクロ−ジャ−は最高のレベルを維持するとともに個々のお客様の要望する最高の仕上げをも可能にしています。さらに特筆されることはタンノイ社の取締役であった、テレンス・リビングストン氏の指導により様々な点に変更を加えた結果、大幅な音質の向上をはかることができたことです。リビングストン氏はタンノイの黄金期のかけがえのない人物でありました。彼の多くの技術的アドバイスはオクタ−ブが最高のキャビネットを製造するのに大きく役立っています。現代の素材、テクノロジ−の進歩はタンノイ社の天才的エンジニアであったロナルド・H・ラッカム氏を引き合いに出すまでもなく、過去の実現できなかった性能を可能にしています。その音はまさに「ステ−ジ・オブ・ジ・ア−ト」と呼ぶことができるものです、しかもそのデザインはクラシックそのものです。家庭用スピ−カ−の最高のモデルとして自信をもっておすすめします。

***オートグラフの誕生***

五味康祐氏をして、「家庭できく最もすぐれたスピーカー・エンクロージャーだ」と言わしめた、タンノイGuy R. Fountain Autograph(オートグラフ)。タンノイ「オ−トグラフ」という名前に多くのオ−ディオ・ファンは憧れ、尊敬、ときには畏怖の念さえ感じるはずです。ではそのオ−トグラフはどのように誕生したのでしょうか。1950年代から1960年代にかけて英国のハイファイ機器はその素晴らしさゆえに世界で最も広く受け入れられていました。現代のコマ−シャリズムとは無縁の時代にあって、どのメ−カ−も製品の品質、耐久性、性能を強調し、多くの妥協のない製品が出現しました。その時代、ほとんどのメーカーにオ−ディオ設計の原点を見ることができます。タンノイ・コ−ナ−型スピ−カ−もこうした製品の一つでした。タンノイ社は1953年、15インチ・モニター・シルバー同軸型ユニットを組み込んだ家庭用の最高峰モデルとして、同社の創設者の名前を冠したGuy R. Fountain Autograph(オートグラフ)をニューヨークのショーでデビューさせました。設計には同社のチーフ・エンジニアのRonald. H. Rackahm氏があたりました。彼は高域はドライブユニットのコーンをホーンとして用い、中域と低域はそれぞれフロント・ロードデッド・ホーン式と折り曲げ式バック・ロードデッド・ホーンを組み合わせるというユニークな全帯域のホーン・ロードデッド・スピーカーを実現しました。この開発には実に16年の歳月をかけ、完成度の高いものに仕上がっていました。1958年ごろにモニター・シルバーがモニター・レッドに取って代わりオートグラフもユニットが変更になりました。その後1967年までモニタ−・レッドの時代が続き、モニター・ゴールドに引き継がれるわけです。

Guy R. Fountain Autograph

オートグラフ(復刻版) (キャビネットのみ)  

  • 形式:コーナー置バック・ロード・フルレンジ・ホーン型
  • 内部構成:エポキシ充填バーチ合板
  • 外装仕上:ムク突き板貼/チーク・オイル仕上
  • タイプ:    コーナー置フロント・バック・ロード・フルレンジ・ホーン型
  • 内部構成:   エポキシ充填バーチ合板
  • 外装仕上:   ムク突き板貼/オイル仕上
  • 寸法:     152.5(H)x108.5(W)x66.6(D)cm
  • 重量:     約90kg
  • 適合ユニット: 15インチ・同軸型ユニット

(モニター・シルバー/レッド/ゴールド/HPD)

   

****GRFの誕生****

基本設計はオートグラフと同様、タンノイ社のチーフ・エンジニアのRonald. H. Rackahm氏があたりました。GRFキャビネットはその優れた性能、特性により発表直後から高い評価を得ました。最初、ドライブユニットにはモニター・シルバー15インチが組み込まれ、その後モニター・レッド、更にモニター・ゴールドと引き継がれます。その時代この同軸型は世界中のレコーディングスタジオでの標準機として採用されるようになりました。GRFはプロの世界においても10年程前まではポピュラーなスピーカーでした。そのGRFの歴史のなかで一度大きな設計変更がありました。それは1970年代後半K3808やK3838を採用したモデルでは、その大きな径のマグネットを収容するためホーンのスロート部を大きくしたことです。これ以外では大きなキャビネット内部の変更はその20年間にわたりほとんど行われていません、マイナーチェンジとしてはドライブユニットがシルバーからレッドに変更されたこと、またレッドからゴールドに変更された際、ネットワークとコントローラの取り付けのための変更がありました。

 

 

 

GRF(復刻版) (キャビネットのみ)

  • タイプ:    コーナー置バック・ロード・フルレンジ・ホーン型
  • 内部構成:   エポキシ充填バーチ合板
  • 外装仕上:   ムク突き板貼/チークオイル仕上
  • 寸法:     115.7(H)x101.6(W)x67.3(D)cm
  • 重量:     約80kg
  • 適合ユニット: 15インチ・同軸型ユニット(モニター・シルバー/レッド/ゴールド/HPD)

  

  

英国オクターブオーディオ社 「オートグラフ」&「GRF」復刻版キャビネット

特報!オートグラフ&GRF用ドライブユニット(スピーカーユニット)をご用意しました。すべて極上の保証付き。

タンノイ純正スペア・コーン

  • タンノイ 純正新品スペア・コーン(15インチ・レッド用、15オーム) ¥55,000)
  • タンノイ 純正新品スペア・コーン(15インチ・ゴールド用、8オーム) ¥55,000
  • タンノイ 純正新品スペア・コーン(12インチ・レッド用、15オーム) ¥47,000
  • タンノイ 純正新品スペア・コーン(12インチ・ゴールド用、8オーム) ¥47,000
  • タンノイ 純正新品スペア・コーン(10インチ/III-LZ・レッド用、15オーム) ¥44,000
  • タンノイ 純正新品スペア・コーン(10インチ/III-LZ・ゴールド用、8オーム) ¥44,000
  • タンノイ シルバー、レッド、ゴールド用高域ダイアフラム(振動板)はボイスコイル・アッセーのみ交換にて新品再生が可能です。 詳細はお問い合わせください。

HPD385のコーン(エッジがダメになってしまったもの)を15インチ・ゴールド用コーンに替えることをおすすめします。

音はモニターゴールドに大変近いものになります...サウンドボックスおすすめの裏技です。

Terence Livingstone氏の経歴

私、テレンス・ブライアン・リビングストンは1923年4月23日ロンドンに生れ、州立の小、中学校を卒業後、1934年、Battersea Grammar School(1700年に設立された非常に古い学校)に入学しました。

1939年夏、実習生としてタンノイ入社、全ての部門を一通り経験し、最後にテスト、製品検査部門で実習を終了しました。

1942年秋、軍用の音声通信設備のテストと開発、通信設計の検査主任として陸軍に派遣されました。

1944年秋、全面的にタンノイへ戻った彼は、ラッカム氏(タンノイ同軸型スピーカー、オートグラフの設計者)と一緒に研究開発を手掛けました。そこで低歪みのパワーアンプとダイナミック・マイクロホンの開発を担当しました。

1947年、技術販売部長に任命され、トランスデューサー例えば、マイクロホン、スピーカー等の全てのOEM製品販売の責任者となりました。丁度この年ラッカム氏が最初のデュアル・コンセントリック型15インチスピーカー(ダブル・マグネットを持ち、ダイカストフレームで、クロスオーバーネットワーク内蔵)を完成させた年です。それが第2次大戦後最初にロンドンで開かれたラジオ・エレクトロニクス・ショーで人々が見た最初のタンノイの同軸型スピーカーです。

1948年、デッカ社を訪問しました。そのころデッカ社はちょうどFFRR録音システムを導入したところでした。そして、DECOLA(最初の本格的、総合ハイファイ・システムの1台)には12インチのスピ−カ−・システムを必要としていました。ラッカム氏はそのために、たった2週間で完璧な実用的な試作品を作り上げたのには驚きました。

1952年、輸出部長に任命されました。その頃には同軸型は世界的に標準の品質と認められてきましたから、世界中の代理店を通じて、英連邦国、ヨ−ロッパ諸国また北アメリカ等の音響研究所、レコ−ド会社に販売されていました。それらの国々では既にオ−ディオ・ファンの間でも大変な人気を博していました。

1958年、シュリロ・トレ−ディングを日本におけるタンノイ社の輸入総代理店に指名しました。彼らの効率的で、熱心なセ−ルスのおかげでタンノイ社にとって日本のマーケットは大変価値ある市場になりました。

1963年、営業部長に任命され、全世界のセールスのに責任を持っていました。

1974年、タンノイ社はハ−マン・インタ−ナショナルの一部になりました。その時技術・サ−ビス部門の取締役に任命され、全世界のセールスとサービス・サポートを受け持ちました。タンノイ社の輸入代理店を支援するため定期的に全てのヨーロッパの国々、東南アジア、北アメリカ諸国を訪問しました。その中でも彼の日本への訪問は40回以上に上ります。

1981年、 ハ−マン・インタ−ナショナルからタンノイ社株を取り戻し英国所有の会社とするための株買い戻しグループの代表メンバーでした。

1984年 タンノイ社はその全てのベ−スをスコットランドにある工場へ動かしました。その時61歳でしたが、少し早い退職をして会社を去る事にしました。 しかし1987年に会社に株を売り戻すまでは依然としてタンノイ社の大株主でした。

1985年にコンスタシア・エクスポ−トという名前でコンサルティングをはじめました。現在75歳、オクタ−ブ・オ−ディオに出会うまでは完全に引退しようと思っていました......ですがこのキャビネットに出会い、もう一度多くのタンノイ・ファンの人々のお役に立ちと思ったのです。

2004年 ご家族に看取られお亡くなりになりました。 ここにご冥福をお祈りいたします。