Audion Silver Night PX25 (PX25シングル・ステレオ・パワー・アンプ) \330,000(税別) 数ある出力管のなかで、米国における直熱三極管の王者がウェスタン・エレクトリック300Bとすれば欧州における直熱三極管の王者は英国で生まれたPX25でしょう。PX25はその性能・音質については一部のオーディオ・ファンには良く知られており、そのすばらしい再生音は一部の自作マニアの独占物でした。アレマ社ではこの英国生まれの高性能三極管PX25がチェコで再生産されたのを機に好評を博したシルバーナイト300Bアンプの思想はそのままに、その特性を余すところなく引き出すべく、最終段にシングル動作で配置、高いレベルのリニアリティを実現したアンプを発売しました。特性よりも音質を重視する設計思想から音楽再生に最も適した純クラスA回路により、スーパーリニアドライブで直熱三極管PX25の特性を余すところなく引き出しています。入力段から出力段の全てにわたってNFBを全くかけていません。さらにクラスAを最適化するディストーション・キャンセル回路により、繊細で豊かな音楽再生をお約束します。 |
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主な仕様
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*PX25についてのミニ知識 PX25の歴史をたどると、この真空管はPX4の高性能版であることがわかります。1929年高能率型の先駆者のPX4が発売さました。この時代は真空管のメーカーはこぞってその高出力化に取り組み次々と高性能3極管が誕生しました。同年はアメリカでは245が生まれた年で、245の約2倍の出力を持つPX4がイギリスで誕生したことを考えると、イギリス の真空管技術がアメリカより進んでいたことの証明でもあります。程なくこのPX4よりも少し大きなPX25が発表されます。真空管の特性としてはPX25は米国系の50に相当しますが、50よりもはるかに使いやすく、また出力や歪みの点で50をはるかに上回る性能の持った真空管です。PX25は開発当初プレート損失25W、最大プレート電圧は400Vという規格でしたが、1935年に至りプレート損失は30W、最大Epは500Vに改訂されました。このPX25はその製造メーカーによりその呼称が異なるものがあります。GEC、MarconiではPX25、Ediswan MazdaではPP5/400、HivacではPX-5、MullardではDO24、TungsramであnP27/500といった具合です。いずれも差し替え可能で互換性があります。さらにPX25の大出力化を計ったPX25Aが後に発売されます。このDA30の別称を与えられる出力管はPX25とは互換性はありません。 |
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