オーディオン社、その歴史
オーディオン社は１９８７年のディビッド・チェセル氏により設立されました。 同氏の音楽に対する愛情、長年のオーディオファンとして様々なスピーカーやアンプについて常にその旺盛な探求心がついに自分自信で自分の求めるものを製作するというところに行き着きました。 最初、彼が求めたのは家庭や銀行の残高（予算）を気にすることなしにハイエンドオーディオを楽しめるようにすることでした。 この基本的な考え方は現在のアレマ社製品全てに少量生産の特注品の水準という、洗練されたより高いレベルの製品とするということで生かされています。
Audio Innocations
１９８６年彼はオーディオ・イノベーション社において取締役技術部責任者の地位を与えられていました。その間オーディオイ・ノベーション社製アンプはその音の良さから高い評価を得ていました。 その時期は、チェセル氏とオーディオ・イノベーション社さらにまた当時ヨーロッパでもトップデザイナーとして知られるエリック・アンダーソン氏との友好関係をはぐくむ好機でありました。 その後アンダーソン氏は母国のスウェーデンに戻り「エジソン・オリジナル」というスカンジナビアではリーダー的存在として知られたモデルの開発を手がけていました。
初期のオーディオン
１９８７年にオーディオンアンプが初めて製作されオーディオ評論家の方々にたちまちその音質、性能、更には造りの良さにより注目されました。 その後数年にわたりこのプリアンプは継続的に改善が行われ最終的にツーボックスのステート・オブ・ジアートと呼べるレベルのものとなっています。 何段階かのレギュレーター回路とともに手造りレベルからミリタリー・スペックレベル段階に到達しました。その時期アンダーソン氏はスカンジナビア市場でエジソンキットで評判を博しアンダーソンの旗のもとに三極管アンプを準備していました。
まさにこの最初の時期にヨーロッパで注目された最初と二番目の三極管アンプが登場します。 最初のモデルはデイビッドの指揮の下エリックにより設計・製作されました。 信じ難いことですが、これが三極管アンプの高音質の世界を世界に知らしめることになるわけです。
１９９２年になりヨーローパにおける景気の後退とスカンジナビア市場での頭打ちの状況を背景としてこの２人が英国をベースにして手を組むことになりました。またさらにウェスタンエレクトリックの３００Ｂの真空管のコピーがゴールデンドラゴンによりオーディオ市場にリリースされたことが彼ら二人にアンプ作りをさせるきっかけともなりました。
その最初のモデルはシルバーナイト３００Ｂモノブロックです。英国の「ハイ･ファイ・ワールド」誌編集長、ノール・キーウッド氏に認められその紙面の表紙のページを飾ったばかりでなく、三極管の音質の優位性、ノン・フィードバック回路の技術解説がその記事の中で詳しく説明されました。この音質の優位性とレベルという言葉は多くのオーディオ・ファイルの人々の想像力をかきたてオーディオンを革新的オーディオ・メーカーとしてスポットライトを当てることになり、世界中から喝采を送られようになります。それに続く多くの新製品がその品質の高さ、信頼性、更にコスト・パフォーマンスにより高い評価を受けています。
エリック・アンダーセン氏は現在、母国のスエーデンに暮らしており、引退した今でもオーディオン製品の開発に関わっています。
２０００年以来、ジェラーム・ホランドは新たなオーディオンのオーナーとして先頭に立ってオーディオンを率いています。 コンピューター・システム・エンジニアである彼のセンスの存在はオーディオンに新たな可能性をあたえています。 またその革新的アプローチ、経営手腕はオーディオンに技術的進歩を与え従来の真空管技術を超える最先端の革新の最前線に導きます。
２０１０年ジェラーム・ホランドは新製品としてプリアンプ「ウノ」からリモコン可能で、MM・MC対応、銀線のハイードワイヤ使用の最高モデル「クアトロ」を発売。
２０１2年 新たに低価格ベーシックモデルと旗艦モデル発売。
オーディオンの年譜
1986: デビッド・チェセル、オーディオ･イノベーション辞してオーディオンを設立
1987: デビッド、５極管パワー・アンプを発売
1988: デビッド・プリアンプが好評
1990: エリック・アンダーセンがパートナーとしてデビッドに加わりプリ・アンプとパワーアンプの製品群を整える
1992: オーディオン「シルバーナイト」最初の３００Ｂアンプが発売される
1993: オーディオン「シルバーナイト」がフランスのオーディオ誌 ”Dia Passion D’or” で受賞
1995: オーディオン「ゴールデンナイト」、「ブラックシャドー」「ゴールデンﾄドリーム」「スターリング」「プレミアーライン」が発売される
1997: ＡＭＰ、オーディオンＣＤ・ＤＡＣ発売
2000: ジェラーム・ホランドがオーディオンの新オーナーに就任
2001: 新型シャーシ･モデル発売
2002: オーディオン「パラゴン」、「ゴールデンナイトＰＸ２５」アンプ発売
2004: オーディオン「プロトン」、「エレクトロン」ケーブル、ブックｼシェルフ・スピーカー発売
2005: 「 シルバーナイト２Ａ３」英国発売
2007: 設立２０周年記念、「ブラックナイト」発売
2010: ジェラーム・ホランドはウノ、デュオ、トリオを新型クアトロの対極モデルとして発売、更にブラック・シャドーを再発売します。
2011: イントロとして知られている新しい廉価モデルを発売。
2012: 新しい旗艦モデル発売。
2013: ハードワイヤード・モデルをラインアップ
2014：Audionは8m x 4mミリタリーグレードの電波暗室を設置します（フランスで唯一の4つのうちの1つ）
2015：シルバーナイトスペシャルエディション300Bとブラックシャドウ2が発売
2016：1.0パッシブプリアンプ、Super Sterling KT120、Silver Nightスペシャルエディションライン/ mmフォノステージを選択し、スペシャルエディションPX25を発売
2017：30周年記念製品が発売されました。スターリング30周年記念アンプとSelect MC昇圧トランスがリリースされました。 Silver Night Special Edition統合ステレオおよびパラレルシングルエンド300Bバージョンが追加されました
2018年：Audionは新しいSilver Night HP1 300Bヘッドフォンアンプ、Super Sterling KT150パワーアンプを導入し、パッシブ製品の「選択」範囲を拡大しました。今年のもう1つのオーディオアート製品賞を受賞しました。
2019：新しいAudion Lignum OctoおよびQuaddraフル幅の最初のプロトタイプ、木製の台座付きシャーシEL34統合型アンプは、ミュンヘンのハイエンドで熱心な聴衆に示され、リリース日は最初に2019年9月に見られました。AudionSilver Night DUOは、台湾で賞を受賞。
2024年：8本の真空管EL84並列シングルエンドアンプを初めて市場に投入。Selectはプレミアシリーズと同様にロータリースイッチを搭載して改良され、EL84は2024年5月にミュンヘンで発売される。
